中学生時代、目立たないタイプだったのですが、美容院で初めてカットをしてもらったら、自分の想像以上にかっこよくしていただきました。その出来事がきっかけで、将来は美容師になりたいと思いました。その思いはずっと変わらず、進路選択のために、美容師を目指せる学校のオープンキャンパスを色々回りました。その中でも、在校生と先生の、親切で丁寧な対応が際立っていたのが、このBFでした。当日ガチガチに緊張している自分を「よく来たね。門馬くん」と温かく迎え入れてくれたことはよく覚えています。県内の学校に絞っていたので、美容師の国家試験合格率が県内No.1だというところにも魅かれました。

入学当初の自分は遅刻も多く、授業中もうるさく、成績の良くない学生でした…。先生方はそんな自分にも、最後まで見捨てずにつきっきりで指導をしてくださいました。めっちゃ怒られましたけど（笑）先輩と協力して1からスタイリングを完成させる授業など上下間の交流もあり、放課後の練習にも付き合ってくださるなど、仲も良かったです。先生や先輩、同級生との関係がよく、安心できる環境で、次第に美容師になる目標に集中できるようになっていきました。

学生が企画から作り上げる美と食の総合イベント「BFフェスタ」では、大勢のお客様のいるステージでモデルさんのセットをしました。有名スタイリストさんの感覚を味わえて、テンションが爆上がりでしたね（笑）学校生活の中でとても印象に残る出来事でした。

実習では、ワインディングなどの作業を早く美しく行えるよう仲間同士で競い合いました。先生方の指導はお店でも通用するように、より実践的でプレッシャーのある、濃い授業が多かったです。振り返れば、お客様の代えのきかない髪を大切に扱う今の業務にとても役に立っています。

就職を考える上で大きな経験になったのは、1年の春休みに行う合計60時間のインターンシップでした。昔から通っていた地元のサロンでお世話になったのですが、BFで学んでからプロの仕事を見学させていただくと、その凄さがより分かりました。高い技術はもちろんですが、並行してお客様と談笑しながら細部まで気配りをしています。緊張して見学している私にも、リラックスできるように声を掛けてくださり、サロンはただ髪を切るのではなく、心からお客様を喜ばせる場所なんだなと心に染みました。自分は表情が固いので、笑顔を絶やさず、お客様にリラックスしてスタイリングが任せられる技術と、これからは雰囲気や気遣いを磨いていきたいと思いました。

昨年のコロナ禍の中では、リモート授業に対応するためにタブレットが活用され、大きな画面で先生の技術や指導を見ながら、自宅で練習用ヴィッグで実習をしていました。どうしても通信環境が悪い人には補講も設けたり、学生に立場に立った配慮をしてくださいました。

現在はヘアサロンで、スタイリストのデビューを目指して個々の技術を極められるように頑張っています。一見美容師は華々しい職業に見えますが、閉店後に深夜まで練習を積み重ね技術を向上させる覚悟も必要な仕事です。その分お客様に褒められたり、話が弾むと何とも言えない「やりがい」に出会える仕事です。そんな美容師という職業のスタートが切れたのも、授業で得た技術はもちろんですが、この２年間で育んでくれた人間性も大きかったと思います。将来は自分が中学生の時に感動したような、誰かに憧れられる美容師になることができたら、うれしいですね。